「いかに社会にとって意義のある会社にしていくかが重要」TKP河野貴輝代表取締役社長-後編

河野社長が大切にしてきた言葉

I:目標にされている方や、尊敬されている方はいらっしゃいますか?

K:経営に対してリスクを取って、大きく育てられた方は尊敬していますね。

I:座右の銘はありますか?

K:新進気鋭、捲土重来、猪突猛進とか。攻めの姿勢を表現している言葉が好きですね。中学時代から四文字熟語が好きで、どの熟語がいいかなと探していました。

I:愛読書や、社員の方に薦めている本はありますか?

K:僕がすごく大事にしている言葉は、ドラッカーの本の一節で「社会の問題の解決を事業上の機会に転換することによって要請に答え、同時に利益にすることが企業の機能である」。この言葉は好きですね。

I:社訓はありますか?

K:社訓は「①スピード重視 チャンスはGet!挑戦・撤退の決断 ②Yes We Can!顧客満足の最大化・感動を与える ③常に創造!改善!革命!」です。昔は全員で唱和していましたね。

傘下に収めた企業との適切な距離感

I:社長にとってリーダーシップで一番大事なポイントはどこですか?

K:バランス感覚です。リーダーが強すぎると部下が育たず、単なる恐怖政治の人治国家になります。しかし強烈なオーナーがいなくなったら会社の成長は鈍化してしまいます。一定のガイドラインを作った上で、モチベーション高く自由に仕事をしてもらうことが重要です。

I:河野社長は部下の方や、中間管理職の方にどんなことを求めますか?

K:数字さえも人を育てることに繋がっている、という考えに行きついてもらいたいですね。難しいですが。また、次の自分を育てることも重要です。後継者を育てないと、自分も上にあがれないし、会社も大きくなれません。

I:そう考えると、人事評価はどこが一番のポイントになりますか。

K:離職率や部下の成果が上がらないなど、問題に対してどのようにフォローしているか。上司自身が変わっていかないと、組織は変わりません。昔は毎月組織を変えていました。本来はそのぐらいの柔軟性がないと組織は硬直化してしまうと思っています。

I:買収で様々な会社を傘下に収めていますが、傘下にした会社の方法は尊重されますか?

K:尊重しています。どのような会社なのか見極めないといけない。コミット型にはコミット型の統治の仕方、そうではない場合はそれぞれにあった統治の仕方がありますから。国をどう治めるか。ということと同じです。どう役人を置くのか。制度をどうするのか。企業文化を揃える方がいいかもしれないし、すでに文化が整っていて付加価値もつけていける組織なら、文化を変えてしまうとパフォーマンスは落ちます。

リーダーシップにおいて最も大事なこととは

I:最後にIFLATsが掲げる15のソーシャルスキルについてもご意見をお聞きします。ご自身の考え方として大事だと思う、あるいは今後のビジネスに必要だと思うスキルはどれでしょうか?

K:「共感する能力」です。すごく大事ですね。経営者の立場では、「ストレスや不安や緊張に対する能力」「創造的思考力」も持っているはずですし、「継続力」がなかったらそもそもできない。「実行力」は当たり前だし、「探求する力」も思慮深いのも当たり前。ビジネスをする上で背に腹は変えられないものは、実際にやっていたら勝手に身につきます。それよりも、共感する能力とかストレス耐性とか、この辺がない場合は致命傷です。徳がない人に、人はついていきません。社員も取引先もある一定程度までは付き合ってくれますが、そこから先は共感する能力がないとダメでしょうね。経営者はおおよそ孤独ですから、ストレスに対処できなければ、鬱病になってしまいます。ここをトレーニングしておいたら良いのではないかと思います。

I:社員に対して求めるものはどういうものですか?

K:一番大事なのは、「問題解決能力」ですね。加えて周りとの関係を大事にするために、感情の波をコントールしてほしいです。人間としての基本的なスキルですが、大切ではないでしょうか。

(Vol.6-後編 終了)

プロフィール

河野貴輝(かわのたかてる):株式会社 ティーケーピー 代表取締役社長/1972年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、1996年伊藤忠商事株式会社へ入社。為替証券部でトレーダーとして資金運用を担当。日本オンライン証券株式会社(現:auカブコム証券株式会社)の設立に携わり、続いて、イーバンク銀行株式会社(現:楽天銀行株式会社)へ創業メンバーとして参画。2005年32歳で株式会社ティーケーピーを立ち上げ、代表取締役社長に着任。同社を急成長させるとともに、景気の波を乗り越えつつ、パートナーシップやM&Aによる事業拡大を遂行。

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