リーダーシップインタビューVol.5-2:冨田和成氏 「目標設定、メタ認知、行動と量をこなす力」

リーダーはいかにしてリーダーになったのか。
リーダー自身の言葉からその理由を紐解くインタビューシリーズのVol.5では、冨田和成氏に話を聞いた。学生時代の起業や証券会社への就職、そして30歳で「ZUU」を創業し上場企業へと着実な成功を収めてきた冨田氏は、猛烈な集中力とインプットで課題を突破し続けてきた没頭型。ビジネスパーソンが常日頃考え向き合う、目標へいかに辿り着くべきかを、冨田氏はサッカーをベースとした成功体験から導き出し今に至る。前編ではサッカーを通じた原体験を、後編では社員へも語り続けているというメソッドについてお聞かせいただいた。(Vol.5-1「サッカーに学んだ組織のバランス維持」はコチラから)

大企業を退職し、自分で再度起業へ

IFLATs(以下 I):現在のZUUの事業のきっかけも、社長が培ってきた体験や経験がベースでしょうか?

冨田氏(以下 T):これまでお話してきた原体験が今の事業にも繋がっています。私にはプロサッカー選手になるという夢がありましたが、ヘルニアになりその道は難しいんだろうなと思った時期は本当にどんよりした毎日を送っていました。夢は生きるバイタリティじゃないですか。毎日起きて「やるぞー!」という源なのに、それが弱まったりするとこんなに人は変わってしまうのか、と身を以て知ったんです。ビジネスでも、金融の世界に入って、資金が不足しているからチャレンジできないという企業を見ました。このままいくと倒産、または身売りというような局面にあった会社さんを資金調達でお手伝いした結果、大躍進されたり上場されたり、というご支援をすることができました。我々はそれをチャレンジャーマネーとかチャレンジャーキャピタルと呼んでいますが、その資金によって窮した場面から脱し新たなアクセルを踏むことができて、結果として夢を叶えられるというのは、金融は素晴らしい世界だと思いました。これを新しい形でできたら私も幸せだし、自分自身の生き甲斐にも繋がることから、現在の事業へと進めたわけです。

I:社長という立場になられて、ご自身の考えを伝える時は、どのようになさっていますか?

T:入社前に、『資本主義ハック』(SBクリエイティブ刊)と『鬼速PDCA』の2冊は目を通していただくことと、現在のビジョンを語っている株主総会の動画をみていただくことをマストにしています。3ヶ月に1回全社総会という場があるので、そこで語り続けています。

リーダーシップへと繋がる社員教育とは

I:最近は、社員の方々自身がそれぞれにリーダーシップを持つ必要があるという風潮もありますが、その点はいかがですか?

T:弊社は、かなり早くからリーダーシップを求めている会社だと思います。その分大変ですけどね。30代前半や新卒入社で20代の役員もいます。上場企業の役員経験者や、メガバンクの役員経験者などが何人もいる中で、です。なぜかというと、同じような力であれば、成長スピードが速い方を登用するという考えがありまして、早くから登用しチャンスを与えています。これもサッカーの考えから来ています。レギュラー争いがあるわけですが、コーチなどから常に聞かされていたのですが、「同じ実力なら下の学年を出す」ということです。上の学年は今年で終わりだけれども、下の学年は、今も来年もあるわけです。これはとても理に適っていて、素晴らしい考えだと思っています。大変な環境で自分を高めていくことができます。もちろん、それでは潰れてしまうという人もいますからマネージメントが必要ですが、そのような環境で経験を積むことは会社として非常に重視しています。

I:成長スピードの速い方にはどのような特徴がありますか?

T:自分がどういうところを目指したいか、そのギャップを埋めるために努力しているか、目指しているところが高いか、自分の現状認識が正しくできるかどうか、というようなことは関係していると思います。目指しているところが高かったとしても、自分にすごくが実力あると現状を勘違いしていたら、あんまり頑張らない。もしくは逆に高いところを目指してなくても、今の自分を過小評価しすぎていたら自信がなくなってしまう。常に目指しているところと現状との差分、現状を正しく認識することをメタ認知と言いますけれども、これを正しく客観的に評価できているかが大変重要だと思います。よく、あの人は柔軟じゃないとか、素直じゃないとか色々言いますけど、それらは、大体このギャップを正しく認識していないというズレから来ていることが多いと思います。現状を正しく認識し、目指すところまで努力を続けることが当たり前のようになるといいと思います。あともう一点は、やっぱり量には勝てないと思います。もちろん質が悪いのは意味がないですが、正しい方向にやり続けている者には勝てない。最後どれだけやったかという世界だと思います。もちろん人間ですから走り続けるだけでは、どこかで倒れちゃうかもしれないのでそういうマネージメントは重要ですが、成長というのは”どれだけできるか”にかかっていると言えると思います。

I:圧倒的な量、経験を積むことが不可欠なのでしょうか。

T:はい、重要だと思います。『究極の鍛錬』(ジョフ・コルヴァン著/サンマーク出版刊)という本がありまして、私結構好きなんですけれども、その中に、才能なんてどれだけやったかである、というようなことが書かれています。例えば、ゴルフのタイガー・ウッズ選手やテニスの大坂なおみ選手は、幼児の頃からレッスンをしていて、20歳になるころにはすでに相当な経験を積んでいるわけです。つまり先ほど申し上げたことと量を含めた3要素が成長には欠かせないと思うんです。1)どこを目指すか  2)正しい現状認識とそのギャップを埋めるための行動、そして、3)かけ算で量をできる人間です。もちろん他にも細かいことはいっぱいあると思うんですけど、3つができる人たちは、当たり前に成長することが多いなぁと思います。

I:それを意識した指導方法とは?

T:それが『鬼速PDCA』なんですよ。ゴールはどこを目指しますか?そして現状を正しく分解し正しくギャップを見つける。そこから正しくギャップを見た中から課題を見つけ、重点課題解決策というフェーズへ行く。私なりに、『鬼速PDCA』は個人の成長サイクルや成長スピードを最大化、加速させるための指導法だと思っています。

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