リーダーシップインタビューVol.4-2:三寺歩氏 「今、必要なのは、判別がつかないものを受け入れる柔らかさ」

リーダーはいかにしてリーダーになったのか。リーダー自身の言葉からその理由を紐解くインタビューシリーズの第4回では、ミツフジ株式会社社長、三寺歩氏にお話を伺った。三寺氏は、倒産寸前だった実家の老舗繊維メーカーを引き継ぎ、わずか数年で最先端IoT企業へと急成長させた。西陣織に始まった家業は二代目で銀メッキ繊維に注力する。その技術資産を生かして、高精度の生体情報を取得できるウェアラブルビジネスへ舵を切ることで、業態転換を果たしている。三寺氏の様々な経験や学びを踏まえた事業展開と次世代リーダー像について尋ねたリポートの第2回をお届けする。(Vol.4-1「チェンジマネジメントという使命」はコチラから)

I:社員一人一人にリーダーシップを持たせなければいけない時代になったという見方についてはどうお考えでしょうか?社員の方々にリーダーシップに対する意識について、社長から伝えることはありますか?

M:リーダーシップの根幹は意思決定ですよね。弊社では社員が自分で意思決定できるようにしています。

努力して結果が出るわけではない、結果がでなくても努力は無駄じゃない

I:社長ご自身のポリシー、座右の銘はありますか?

M:そんな偉そうなことは何もないのですが、私は松下幸之助さんを尊敬しています。松下さんは「努力して結果が出るわけではない」というのをずっと仰っていたそうです。社会が必要とすれば会社は生き残ると。私はハードワークで働くほうだと思いますが、疲れない理由は、やったら結果が出ると思わないように、パナソニックで教育してもらったからではないかと思います。やっても、やっても、結果が出なくても我々はやらなければならない、やるべきことがある。特にウェアラブルの仕事は、人の命を救うことが実際にあります。そのような仕事が結実して未来の日本のヘルスケアのお役に立ちたいと思います。ただ、いつ結果が出せるか分からない、他社が後から来て成功するかもしれない。そうなったとしても、努力したから結果が出るということを思っていないので悔しさがないです。「社長はあっさりしていますね」とよく言われます。

I:自分なりの生活のルーティンとかはありますか?

M:経営者の先輩方からは、とにかく寝ろ、とは言われますね。寝ていないと判断を間違うので睡眠時間がすべてだと。夜中にアイデアが沸くのでメモをするのですが、絶対に意思決定をするなと。夜のメンタルと朝のメンタルは違うということですね。

どんな思いで他人の幸せのために働くのかが、分かるようになってきた

I:先ほど、松下幸之助さんの話が出ましたが、他に注目している方や影響を受けた方はいますか?

M:影響というか、勉強させてもらう方はいますね。仕事の関係もお金の関係もまったくない方で、時々食事をするだけなのですが、バブルとかリーマンショックとか大変な時期を乗り越えてきた方のお話は参考になります。人の採用や雇用をどう考えるべきかなども、自分とは全く違う発想で教えてくださいます。
きわめて優秀な素晴らしい経営者の方々のお話を本で読んで、社長になって初めてああいう方々の発言の重みを知りました。会社の規模は関係なく、背負っている技術とか未来の責任の重さ。その重さにつぶされてしまう人もいるのですが、なぜ、我々はそれを乗り越えていかないといけないのだろう、なぜ我慢しないといけないのだろうなどと考えを巡らせています。
要はどんな思いで他人の幸せのために働かなければならないのか。収入と比較できない位の精神的ダメージ、身体へのダメージを受け、警戒しながら進んでいかなければならないというのは、もう辛さしかないですよ。そういう言葉の重みがわかるようになったというのが、こういう仕事をしてきた中での勉強だと思います。

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